プライムニュース 青少年健全育成条例改正案についての議論の耳コピ

3/29日にBSフジで放送されたプライムニュースのまとめです。
一番手っ取り早いのは、YouTubeにアップされている動画をご覧いただくことですが、
内容を書き出してみました。
途中から面倒になって耳コピになってる部分もあります。
論旨がはっきりしない発言というのはまとめづらいことこの上ないです。
なにかございましたらTwitterで@illmatica01までご意見ください。
以下、YouTubeの動画一覧(1-9まで)
http://www.youtube.com/watch?v=iMRQ2i11v4g
http://www.youtube.com/watch?v=n3P4g9cO0WQ
http://www.youtube.com/watch?v=a8NCF9tbTtk
http://www.youtube.com/watch?v=Wi6LSk4ayIc
http://www.youtube.com/watch?v=_3zefy0vGWM
http://www.youtube.com/watch?v=q5qTIdj-HY8
http://www.youtube.com/watch?v=Mz_JRBcxCg0
http://www.youtube.com/watch?v=oWzmmmG-V5g
http://www.youtube.com/watch?v=bOruptApuAk

■■ゲスト■■
■規制推進派■
猪瀬直樹氏■
■渡辺真由子氏■



■反対派■
里中満智子氏■
藤本由香里氏■
*司会者2名はどっちがどっちの発言かメモるのを忘れたので、共通にしてます。番組進行側の人間と言うことで。

■冒頭のVTR■
大きな太字で、現在漫画等は不健全図書の指定を受けていないとミスリード
(後の解説で小さな字で正しく解説が行われる)



■猪瀬氏■
「(青少年健全育成条例改正案は)表現の自由の問題ではない。販売側の問題だ。」





■解説員■

非実在青少年」を含め改正案の概要を説明。
非実在青少年」だけ条文からの引用を行い、
何故か改正案の条文のオリジナルの引用はなし。



■藤本氏■がオリジナルの条文を引用し、解釈が広いモノであると指摘。



■猪瀬氏■

司会者の進行を振り切り、
露骨に付箋を大量に貼ったコミックを2冊取り出し、
ゾーニングの必要性を主張。
どうやら番組が用意したモノのよう。
コミック内の「擬音」や「18歳未満であることが予想できる台詞について言及。
これらのコミックが通常のコミックと同様に入手できると説明。
あくまでも、ゾーニングを主張


■里中氏■
自主規制が既に行われていること、既にゾーニングの制度があることを説明。
ただしそのゾーニングが徹底されていないことにも言及。
何故わざわざ新たな条例で規制する必要があるのか?
青少年は「性描写」だけに惹かれてコミックを買うのではない。
部分的に見ればきわどいページがあっても、作品としての価値がなければ売れない(淘汰される)。
もっと子供を信用するべき。
子供達は作品に影響されてすぐに真似するほど単純ではない


■藤本氏■
言及されたコミックでは実際の性行為やそれに類する行為は行われておらず、
最後にはそういった行為は大人としての責任が持てるようになってからだと諭す場面があることを言及。
原作者は、意図した内容と異なる誤解を与えてしまったとして自ら出版社に対して絶版宣言を行った。業界の自浄作用は少なからずある。
漫画の特定のシーンやページだけで漫画の善し悪しを判断できない



■猪瀬氏がカットイン■



■猪瀬氏■
(コミックを手にしながら)「そういった主張は言い訳に過ぎない」と断言。
内容を吟味していないにもかかわらず、「狙って描いている」と主張。
再びゾーニングの問題に話をすり替える



■藤本氏■
今回の改正案では「18歳未満に見える漫画のキャラクターの、肯定的な性表現は自主規制してください」という非常に広い範囲の規制であることが問題であると主張。
条文はゾーニングについての規制については言及されていない。



■猪瀬氏■
あくまでも販売の規制であって、表現の規制ではない、誤解であると再度主張。




■藤本氏■
18歳未満の性描写ということになれば、「高校生の性」について描かれたものも規制の対象となる。
「そうではない」、表現の規制ではないというが、実際に条文を読む限りはそう解釈可能である。



■司会者が「出版の規制」なのか「販売の規制」なのかを質問。



■猪瀬氏■
(先ほどのフリップを提示しながら)あくまでも販売規制であると主張。



■藤本氏■
しかし、条文には自主規制してくださいと書いてあるのであるから、事実上の表現規制であると主張。
性的な感覚は人によって異なる。



■渡辺氏■
現状のゾーニングの実効性を問題視。
青少年が小学校高学年ぐらいから積極的に性についての情報を求めるようになると主張。
例として、コンビニや中古本の販売店ゾーニングを挙げる



■藤本氏■
コンビニのゾーニングについては都内では厳しく行われている。
現に、審議会答申の報告書で「青少年を性をめぐる情勢はかなり大幅に改善されてきている」
とはっきり明言されている。



■解説員がゾーニングについて説明■




■里中氏■
改正条例案からは、販売規制の意図は伝わってこない。
現行の自主規制を強化していくことで十分対応可能。
各業界が自主規制の実効性を高めていけば良いではないか。
いわゆる児童ポルノと「非実在青年」を意図的に混同して扱おうとしていないか?
大人が読む青少年の表現があってもいいのではないか。
「18歳未満が読めないようにする」のはいいとして、「描かれている登場人物が18歳未満だからだめ」はものすごくナンセンス。
ではロミオをジュリエットや源氏物語も規制するのかといったおかしな話になる。
司会者が販売規制だというのなら、誤解を条文が与えているのではないかと指摘。


■猪瀬氏■
(苛立ちながら声を荒げつつ)
「だからはっきりしてるんだそこは。青少年の性交・性表現のうち強姦等著しく反社会的な行為を不当に賛美し誇張したもの」



■藤本氏■
「不当ではなく、ただ単に肯定的にとだけ書いてあります。」



■猪瀬氏■
(■里中氏■の発言をうけて)
「文学の話がでたけれども、それは全然問題ないよ」
一方でコミックに関しては、性描写を見せるためだけで、
物語性がどこまであるのか分からないものが対象であると主張。
(新たに近親相姦もののコミックを取り出し)
「これは自主規制があるにもかかわらず(一般コミックの棚に)出てたわけですね。これはちょっとまずいよね、ってことで月に一回審議会であんまり酷いのは不健全図書指定をしている。」
規制のガイドラインを作ろうというのが今回の改正案の話。
「文学の話が出たけれども、そういうのじゃなくて、全ページそういう場面ばっかりが続いてるってのが話で、それからもう一つは児童ポルノ法ってのが別にあるわけですよね。
写真とか、映像、動画とか。それはかなり法律的にも厳しいわけですよね。で、そういったときに、漫画だけちょっと別にそこに入ってないわけですから、それが今回同じようなレベルのものがあればというものがちょっと出てきてるわけですね。」




■解説員が東京都青少年健全育成審議会について言及・説明■
■司会者が現行法では対応できないのか猪瀬氏に質問。■



■猪瀬氏■
「例えば、小学生が性行為を喜んで受け入れているという描写があれば、これは、13歳未満の子供とのセックスというのは強姦罪になるんですよね。そういうものが対象になるということであって、普通のまぁ、そこらへんのものはたいしたことないわけですよ。だから、さっき言ったように、強姦だとか、近親相姦だとか、それが小学生中学生が主人公になってるのがいかがなものでしょうかと、そういうことですよ。
ただ、それは先ほど言いましたように、他のコーナーに置けばそれは(18歳以上は)自由に見ることが出来るというわけでね、ま、刑法レベルじゃなければね、ということですよ。」



■里中氏■
現行の不健全図書指定で良いではないか。



■猪瀬氏■
次から次へとそういった本が出てくるのでは自主規制の意味がないのではと主張
(再び児童ポルノ法の話を持ち出す)
児童ポルノの単純所持が罰せられないのは日本とロシアだけ。
児童ポルノは駄目なのに、同じようなレベルのそういったキャラクターが居ても良いの?ていう話に。
直接の被害者はいないけど、でもそれはそのままでいいの?ということで違うコーナーに置きましょうとあくまでもゾーニングだと主張。



■藤本氏■
今回の改正案と、児童ポルノ法に創作物を含めようとする運動は本当は異なる趣旨であるはずであるのに、混同されがちであることを主張。
児童ポルノ法は、「実在の」青少年の被害をいかに防ぐか、救済していくかという法律であり
人の道徳であるとか、「これを見てると不健全になる」であるとか、そういうことをいう法益がある法律ではないのに、(趣旨を)スライドさせている。
国会で何年もかけて議論されたが、問題が多いということで、先送りになったにも関わらず、
東京都が率先して決めてしまおうというのは無責任な考え。



■猪瀬氏■
「国で決まらないから地方自治体があとから決めるって言うのは、国が決めて地方自治体があとからやるっていうのはそれこそ地方分権とか地域主権の考えに反するのであって、国が、北海道から沖縄まである国が、物事を決めるのが遅いんですよ。このテーマのことではなくてね。
国が決めてないからというのは論拠にならないんですよ。」



■藤本氏■
国の法律の範囲内で地方自治体の法令は定めることができると主張



■猪瀬氏■
条例というのは法律の範囲内の話。
(アメリカの判決の話を持ち出す)
アメリカの人が、日本のアニメーションをダウンロードして、アメリカの法律であるけれども、
禁固20年の刑の判決が出たんですね。アニメーションも、多分(先ほどのコミックを指しながら)こういうレベルのものですよ、それはね、酷いものだったと思いますよ、それをダウンロードして、それで禁固20年になるんですよ、言論の表現の国のアメリカでもね。だから、問題は言論の表現の話じゃないんですよ、これはね。」
(■藤本氏■の反論を制止しながら)
「要するに、ひとえに規範の問題なんですよ。」



■藤本氏■
規範を押しつけるのは言論表現の自由を阻むことではないのか?



■猪瀬氏■
「例えば、キリスト教徒とかそういう世界ではある種の常識というものが残ってるわけで、ね、あの、これを子供に、例えばまぁ、日本だっていろんなものがあるけれども、まぁある程度のこの位になったら良いだろうなっていう水準があるんですよ。それは規範なんですよ、それは。それはね、例えば、パリだったらちょっとしたいいフランス料理のところに、若い女の子なんて居ませんよ。日本は、高いフランス料理んとこに若い女の子がいたりとか、いろんなそういう、それなりの順番があるわけですよ、それは。という意味での、規範というものが、ある程度キリスト教的なところではなんとなくあるんですよね。そこは、日本は、そういう部分は、少なくとも生産者である出版社がこれは成人コーナーですよって、出版社が生産者に対して示してあげないと、それが出来てなかったから、あの、ある程度のガイドラインを示さなければいけないね、っていうことになったわけだから。」



■里中氏■
ゾーニングに関しては社会の責任であるから賛成。
ただ(内容に関しては)いいとか、わるいとかはいえない。
(猪瀬氏の言う)キリスト教的社会の規範に近いものを日本に当てはめようとしても、違和感がある。
宗教的な価値観というのは、民族とか宗教がものすごく違うので、よく言われる欧米社会がこうだから、我が国もこうならなければと、あまりに気にしすぎると、私達が本来持っている文化の力を貶めているような気がするすらある。
現行の法律で十分対応可能なのに、実効性がないからと新たな法の枠組みにはめ込もうとするのは乱暴。これは恐ろしいこと。
(結果としてその論理は)あくまで都議会の感想ではないのか?
ゾーニングの具体的な取り組みを社会として根気強く取り組んでいく必要があるのではないか。
(司会者に何故か自主規制の実効性について反論されて)
結局は良識の問題。
しばしば誤解されるが、少年少女が主人公だから読者も主人公というのは大きな間違い。
連載されている雑誌についてはある程度のゾーニングというか、対象とする読者が決まっているが、
単行本に関しては誰が手に取るか分からないので、大人が良識でゾーニングを行うことが重要。
自主的な取り組みはあるが、実効性については様々なケースがあって難しい問題。



■解説員■
(ゾーニングについて)態度で示すべきだと思うし、そうすればこういった議論ももう少し深まって行くんだろうと思います。



■猪瀬氏■
漫画は常に最先端分野をいく。
同性愛でもなんでも感動があればいいけども、全然そうじゃない、何これって内容のものもいっぱいあるわけで、ただそんな(性描写等)ばっかりが続くものは、反体制でもなんでもないよね。



■解説員■
クリエイティブな側も、公権力が入ってこないような自主規制をするべきだけれども、
都側も、こういった新たな条例を作って、出版界とか言論の人達が恐怖におののくような動きをするのはいかがなものかと。



■猪瀬氏■
(若干うんざりした表情を浮かべて)
あくまでも言論の規制ではなく、販売の規制だと主張。



■里中氏■
では何故新たな条例を作る必要があるのか。規制を強めるよりは、現行の条例の実効性を高める取り組みを行えばいいのではないか。
その部分で行政が指導を行えば済む話ではないか。



■司会者■
販売の規制が18歳未満なのか、内容の規制が18歳未満なのか?



■猪瀬氏■
条例の立場は、18歳未満の「非実在青少年」の性表現等の描写があるものは、18歳未満の青少年が買えないように棚を変えるべき。18歳以上の人がそういった描写のあるものを買って読むことについては全く問題ない。



■里中氏■
一番の懸念は「18歳未満に見えるキャラクターの性的描写はいけない」と規制されることであり、何故そういった描写が規制されなければならないのか、その真意がわからない。
条文には販売規制ではなく、表現規制とも受け取れる内容がある。これが問題。



■猪瀬氏■
非実在青少年」の性描写があっても問題はない。
強姦や近親相姦があっても、ゾーニング(棚を変えれば)それば問題はない。



■渡辺氏■
これまで都が有害図書に指定してきたのは、「著しく性的感情を刺激するもの」ということだった。
今回の改正案ではこの解釈は拡大しているのか?



■解説員■
明らかに拡大している。改正案は現行の条例に条文を追加する形になっている。



■猪瀬氏■
「青少年について」という部分が追加されているわけですね。



■渡辺氏■
もし、そうであれば、結局漫画っていうのはメッセージ性を持っているわけですね。
ですから、例えば漫画の描写の中で、「性的暴行を美化するもの」であったり「子供との性行為を正当化するもの」であったり、そういうものがあれば、そういうものは「ありなのである」であるというようなメッセージを見るものに伝えるという点では非常に責任が重いと思いますね。



■猪瀬氏■
「無関心な、その、つまり、そういう状態があるにも関わらず、例えばこのテレビでもやってこなかったわけで、まぁ今やってるんだけれどね、だから、(コミックを示しながら)僕もこんなところまでいってるかなぁって僕もいろいろ見てて、やっぱりこれはどっかで誰かがちゃんとガイドラインを示さないとまずいねと。で、繰り返し言うけど漫画って言うのは、いろんな反体制的なものとか、サブカルチャー的なものとしてどんどんどんどん新しいものが現れてくるんだけれども、(再びコミックを指さして)それじゃないんだよね。ちょっと違うんだよ。あの、写真だったら(売って良いのは)18歳以上になっちゃうけど、これだったら置けるなって思って描いてるとこもあるから。それはちょっと違うんじゃないかなっていう理屈なんだよ
ね。」



■司会者■
「売れてるんですか?実際こういうのって?」



■猪瀬氏■
「売れるから出すんでしょ?
そら、里中さんの本みたいには売れないよ。」



■司会者■
「でも、売れるから作るわけですよね?」



■里中氏■
「あの、売れなくても作る場合もありますし、売れるっていう基準がどのあたりかっていう出版社の期待度でね、違ってくる場合もありますけど、これは一口では言えません。ただね、私が責任もっていえるのは、たくさんの作者がいます。全員とはいえないかもしれない、だけどこういう表現でしか自分を表現できないんだって覚悟して描いてる人もいます。」



■司会者■
「あのそういう理念的なお話の他に、例えば『食うために』こういうのを描いてる人もいるんじゃないですか?」



■里中氏■
「いる、かもしれません」



■司会者■
「どっちが多い?という言い方はしませんけれども、ただし、要するに、売れるためにこういうものに走っている、こういうのを描いているって人も多分いらっしゃいますよね?」



■里中氏■
「ただね、本当に誤解してるのは、こういうシーンがあったら売れるだろうと皆さん思い込みすぎなんですよ。あのね、本当にそうじゃないんです。あの、やっぱり読者はつまんないものにはお金を出しません。子供にとってはね、っていうか子供って言うよりは実際には18歳以上の人が結構買ってる場合が多いんですけれども、現実に、コンビニなどでは置けませんよ。置けませんし、非常に厳しいですからね。だから、ありとあらゆるところにこういう本が子供の手の届くところに売られてるかのように思われるのは、ちょっと違うなって思います。」



■司会者■
「でも先程渡辺さんが言われたみたいにね、僕も自分の子供のことを思い出して、思わず『うん』って言っちゃったんだけど、(コミックを示しな
がら)こういうの買える店ってみんなで色々捜したりするもんなんじゃないですか?」



■里中氏■
「そうでしょうね、きっとねぇ。」



■司会者■
「そうすると、結局売れていくみたいなね。」



■里中氏■
「でも、あの、少年の頃を思い出してみてください。そういう本がたくさん売れて、みんなが至るところで読んでたかどうか。やはりそこは男の子ら
しく、すいません、ちょっと話ずれちゃいますけど、男の子らしく困難を乗り越えて、恥ずかしさを乗り越えて、それで手に入れるドキドキっていうのをね。」




■猪瀬氏がカットイン■



■猪瀬氏■
「それは正しいのよ、だからね、そうやって手に入れるんだったらね、我々だって苦労して、そうやって、あの、ちょっと不良っぽいお兄さんから借りたりしたわけでしょ?初めから、すぐ、そういって、手入れも何もなくノーチェックですぐ買えるようなものだったら、それは駄目ですよ。」



■解説員■
「やっぱ、いうんだけど、結局ゾーニングなんですよ。だから、それがきちんと小学生がちょこちょこって行ってその場で手に取ることが出来ないようにしておいて、で、その創作物の中にまでいわゆる東京都が、手突っ込んでくるってこと自体に気味悪さが、やっぱりあるんじゃないですか?」



■猪瀬氏■
「(コミックを手に取りながら、CMに入りたい司会者を遮ってまで)僕の、思春期に、小学生のセックスはなかったです。これは、ありえないこれは」



<CM>



■司会者■
CM前の総括:
棚を変える(販売規制によるゾーニング)だけなのであれば、皆さん割と受け入れられるけれども、表現についてまで入ってくるのであればどうだろうかとという話だった。
その中で藤本氏が審議の進め方に疑問を呈していると紹介。



■藤本氏■

「まず、審議会の成り立ちというのが、あの、問題なんですね。
まず、そのメンバーの中に出版関係者の方が一人も入っていない。
つまり、規制に対して慎重であるべきという人を一人も入れてないんですね、というのが一つ。
それから、途中から審議が非公開になりまして、で、それで議事録はあるんですけれども、
その記事録の中で、非公開の中で
『こういう表現が悪影響を与えるという証拠はないけれども、
でもこれはそういう表現を好む人が認知障害を起こしいるという認識を広めていけば、
証拠なんかなくても押し切れるでしょ』っていうような発言がされたりしてるんですよ。で、そういう中で、決まってきた審議会答申なんですね。
それでも、審議会答申の中には、業界の自主規制は、かなり改善されていると、
それでも書いてあるんですよ。で、そこから、改正案が実際に出てきます。
で、これが、審議会答申から、改正案にも、一つジャンプがあります。例えば、(児童ポルノの)単純所持等についても、児童ポルノの単純所持ですね、
で、これは国会に出来るだけ早く法制化していくように働きかけて貰いましょう、
っていふうに言ってるんですが、しかし、都民は、児童ポルノを単純所持しない責務を負う、
っていう風に規定されているんですよ。
で、かなり進んでる部分があるんですよ、色々あるんですけど、で、これを作ったのですがね、ま、知事銘で出てますが、おそらく管轄が青少年治安対策本部なんですよ。
で、これは2004年までは、法令の管轄は、生活文化部、だったんですよ。
で、これが2004年から(管轄が)青少年治安対策本部になって、
そしてこの改正案が出てきてるんですね。
だから、かなり、今何を規制しているのかっていう話がありましたが、
何を規制したいのかって言うと、
「例え性欲を喚起しなくても、反社会的な行為を肯定的に描くことを規制したい」
っていうふうに、青少年治安対策本部はいってるわけですよ。
「反社会的な行為を肯定的に描くことを規制する」っていうことは、
かなり条文を字義通りに受け止めると、そうとう危ないことなんですね。
しかも、そこに「規制の範囲は、恣意的で曖昧」っていうのも指摘されてることですが、
それから、猪瀬さんが今までおっしゃってきたことは、不健全指定図書の、
拡大の問題だけをおっしゃってるんですけでも、実は、「非実在青少年」の、
18歳未満に見える「非実在青少年」の性行為を肯定的に描いたものは自主規制せよ。
というふうに書いてあるわけです。そして、そういうものに対して、
「都民は、そういうものは許されないのだという気運を醸成する、
だからそれに協力せよ」と書いてあるわけですね。
これも、かなり、「児童・・・これ非国民?」みたいな、
という治安維持法みたいな(司会者:「それはイメージの話ですね」)、
あの、そういう怖さをですね、非常に喚起させてしまうような、」
■猪瀬氏がカットイン■



■猪瀬氏■
「なにが怖いの?ちょっとわかんないんだよ、その怖さっていうか、だから。」



■藤本氏■
「実際に、その、監視するっていう意志をね、「自主規制しなさい」「自主規制されているか見守りなさい」っていう風に、本当に「悪書狩り」みたいなことが起こるんですよ。
例えば、書店の店頭とか、こんな本が置かれていると・・・」



■司会者■
審議会の話に話題を戻すように指示■



■猪瀬氏が、東京都青少年問題審議会のメモ(公開しているもの)を司会者に手渡す■



■携帯電話のフィルタリングの話を持ち出す猪瀬氏■。



■司会者■
審議会のメンバーに、問題とする側の人間だけが居るのは問題ではないかと指摘。



■猪瀬氏■
「これは、その、タイトルが「メディア社会が広がる中での青少年の健全育成について」っていうところの、協議会があって、これがまぁ、答申を受けて、条例の基になるものを提案したということですね。それで、もう一つは、(メンバーの名簿と思わしき資料を見せながら)「東京都青少年健全育成審議会」っていうのがあって、これがさっき、え−、(不健全図書指定を受けたコミックを見せながら)、この本だな、これはもう開けないくらいの(酷い)だけど、これを、去年だか、去年の夏だか、6月ぐらいかな、こういうのを毎月3冊だか4冊とか(不健全図書指定)をやるんですよ。これはね、出版倫理協会(正しくは出版倫理協議会)、映画倫理協会(正しくは映画倫理委員会)と、ま、コンビニとかね、こういうのがみんな入ってますよ。この、出版倫理協議会の鈴木富夫さん(出版倫理協議会議長)って方は知ってますけど、あの、ある会社の幹部にまでなった人ですね、あの、雑誌の編集長に。そういういろんな人が、入ってますから、そういうにでやってるという・・・」



■藤本氏■
「不健全図書の方はそうですね。」



■司会者■
「先程言われた、こちら(審議会)に関しては、片側に寄っているということは、」



■猪瀬氏■
「これ、出版界の人は入っていないけれども、読み上げて貰えば分かるとおり、公募の人もいるという」



■司会者■
「ただ、そこのところはもう少しバランスを取った方が良かったんじゃないですか?っていのはないんですか?」



■猪瀬氏■
「いや、この、青少年問題協議会は、あの−、いろんな人を入れたらいいと思いますよ。だってこれほら、都議会議員もいっぱい入ってるわけだから。」



■司会者■
「自主規制っていのは、藤本さんのお話を伺ってると出版界に対する圧力という風に受け止めてるんですけれども、でも猪瀬さんのお話を聞いてると、自主規制というのは、出版界に対する圧力ではなくて、棚分けしなさいよっていう風に、全然違いますよね?」



■藤本氏■
「受け止めではありません。猪瀬さんがおっしゃっているのは不健全図書指定の話だと思います。不健全図書指定の話は、確かに棚分けしろっていう話なわけです。でも、この自主規制の話はちょっと別のことで・・・」



■猪瀬氏■
「いやいや、違う。条例の、違いますよ!今度の条例のことを言ってるわけであって」



■司会者■
「今度の条例は棚分けの話であって、出版に対する圧力ではないと?基本的に、」



■猪瀬氏■
「基本的に、というか、出版の、要するに販売の問題だけですから。何度も言うけども、販売規制の問題であって、出版とか表現の自由については一切関わってませんから、これは。」



■藤本氏■
「いや、「描いても良いけど、販売してはいけない」っていうのは表現規制と同じですよ。」



■猪瀬氏■
「いやいや、違う。それはだから、同じこと言うけど、18歳以上の売り場に置きなさいってだけの話で、しかも、それは、あんまり酷い場合はって話なんだよね。それはもう、強姦だの、近親相姦だの、あの、ページをめくればそういう話ばっかり出てくるようなものについてっていう言い方をちゃんとしてあるはずでしょ、あなたも見てるでしょ?」



■藤本氏■
「それが不健全図書指定の話ですよ。」



■猪瀬氏■
「いやいや、違う違う、それは。」



■藤本氏■
「いや、でもそうですよ。条例を見てください。」



■猪瀬氏■
「違う違う、だから、条例の・・・」



■里中氏■
「ですから、そんなに酷いのはこれまで通り不健全図書指定をなさってれば、(それで)十分じゃないかっていう、同じところに戻りますけど。(■司会者■不健全図書指定をより厳しくというかより頻度を上げるとかそれでも構わないのではないか)まぁ、より厳しくとか、より頻繁にというか、責任を持ってやっていただければ、まずはそっちが先じゃないかと。」



■結局新たな条例を作る必要があるのかという議論に帰着。■



<CM>



■視聴者のメール■
「読めばどうとでもとれる、曖昧かつ不明瞭な書き方だと思います」



■渡辺氏■
「クリエイターの方々が懸念されているのは、拡大解釈されてなし崩しに規制されてしまうんじゃないかということなんですよね、ですから、その、規制の対象をよりピンポイントに明確に分かりやすくするべきだと思うんですよね。例えば、その、合意のない性交渉、子供とのですね、はいけないということであったりとか、あの、暴力的なものはいけないとかであったりとか、と言いますのは、先程申し上げた様に、漫画ってのは何でもありなんですよ。だからこそ、これまで、その近親姦であったりとか、性的暴行の描写ってのが、(不健全)指定図書以外の本でも溢れてきたわけですよね。ですけれども、そういったものを見続けると、やはり、そういったことが普通なんじゃないかととか、許されるんじゃないか、もしくは見る者、子供がそれを見たとした場合に、自分自身を性的対象物としてとらえてしまう。だからこそ、性行動が例えば少し奔放になってしまったりとか、そういうこともあるんですね。ですからその辺がかなり懸念されるところですね。」



■司会者■
法律でやるべきものなのか。それとも自主規制でやるべきものなのか色々意見があると思うが、条例で規制すると言うことに関しては、やっぱり渡辺さんは、「条例できちっと規制するべきで、業界の自主規制なんかじゃ手に負えるモノじゃないと考えているわけですね?」と質問。



■渡辺氏■
「それは、これまで業界の自主規制でやってきた結果がこの現状であるというわけですから、やはりこれは条例でもう一度きちんとやんなくちゃいけないということですね」



■猪瀬氏■
「不健全図書指定というのは、さっきの、これ、まったく開けないような状態のもの、これが津健全図書指定なんだよね。で、この、12歳の、小学生が、ナニをしてるシーンがあるものは、(■藤本氏■:実際にはナニはしてないんですよ/■司会者■所謂ファンタジーですね)ファンタジーっていったって、その絵が描いてあるんだから、それは言葉でファンタジーっていったって。
これはだから、不健全図書指定にはならなかったの。今までの不健全図書指定の水準は、ここまでだったの。
じゃあ、これをまぁ、どうするかと、いう話で、じゃあこれも、今度は一応ガイドラインとして、まぁ条例ってのはそういうことだから、これは駄目ですよと。
成人コーナーですよっていうふうに、あの、したんです。だから、そこは、これとこれの差なんだよね。
これは今までの条例で、まぁ、先程、この青少年健全育成審議会に、どういう人がいるのかもうちょっと見て欲しいけれども、
えぇ、出版界、映画、コンビニエンスストア。それでの、これはだから、そこで指定されたの。
だけど、これは、そこ(審議会)では指定されないものだったわけね。で、じゃあ、これはどうしますか、いう話な訳ね、これはね。
これは、だから今回は「強姦とか、著しく社会規範に反する行為を描いてるとか、そういうものを入れた訳ね。」」



■里中氏■
「現行で、(不健全図書)指定をしなかった方達が、どう思ってこれを指定から外したかっていうこと知りたいですよね。ただね、だからといって、何度も言いますけど、こういう18歳いかに見えるキャラクターがみだりなことをしてはいけないっていうくくりを作っちゃうと、ものすごくたくさんのものが含まれちゃうわけです。どうしてこんな乱暴な条文にするのか?」



■司会者■
「でも、描いちゃいけないって言ってる訳じゃないっていう風におっしゃってますけど。その売る対象を絞りなさいって話ですよね?」



■里中氏■
「いや、描くのだって、18歳以下に見えるキャラクターがそういうことをしては、ま、不健全図書になりますよって言ってるわけですから、
じゃあその、ちょっと極端な例ですが、源氏物語ロミオとジュリエットや、皆14歳、15歳ですよね。
で、そういうもんなんですよ、人の営みって
それをね、18歳以下に見える制服を着てたり、年齢が18歳以下と明記されているものは、そういうキャラクターはすべからくお行儀良く暮らしなさい、そんなものを描いてないと不健全図書にしますよっていうことですよね?
これは何なんだと。これは生理的に危機感を感じるのは当たり前のことなんじゃないかと思うんですよ。
東京都は何をする気なのかと。
なんでこんな、大きな網をかけるんだろうかと。
いうことで、真意はどこか?最初その不信感があったわけですね。」



■解説員■
「都側もね、そんな風に不信感を抱かれるような、請求に審議を進めるべきではないと思うし、まぁだからこそ継続審議にされたんでしょうけども、クリエイターの人達がそういう、さっきも言いましたけど、恐怖心を抱くようなね、論議の進め方って言うのはやっぱり拙速だったと、という面もあると思うし。



■猪瀬氏■
「これはもっと議論すればいいでしょう。ただ、その、つまり、だから今日実物持ってこないと、抽象的な議論になるから、実物を持ってきた訳で、で、そのやっぱり実物を持って議論してる人達は、まぁ、ある一定のそのオタク系の人達ってのがあるけれども、普通の人はまず見てませんよ。つまり逆に言うと、親は見てないわけ。
こういうのがあるっていうこと。
だから親が知らないんだよ。
だから、そういうものをガイドラインとして条例で示さないと一つ一つの本を鼬ごっこのように追いかけてもしょうがないから、線引きしましょうね、と。
そういう風に言ってるわけで、これで、はっきり言って、今までの、所謂「青少年の性的刺激を喚起するもの」だけだった、のがさっきの不健全図書指定になるわけ。
これは、だから、もうちょっとこう、その具体的にというよりも、実際には小中学生、小学生、刑法で13歳未満ていうのはとにかく絶対犯罪になっちゃうわけですから、そういうレベルの話ですよ。
ま、18歳未満ってことになってますけど、児童ポルノ法もそうだから。」



■司会者■
「今後、業界の方も交えて、また話し合いというのは」



■猪瀬氏■
「だからそれはもっとどんどんやればいいけれども、業界の方が知ってて、普通の人が知らないってことが問題なわけで」



■藤本氏■
猪瀬氏の手元にあるコミックが普通に入手できるモノではないと指摘。
自身がかなり漫画を読むが、そういった類のモノはほとんど見かけないと主張。



■猪瀬氏■
「だってこれはあんたの興味じゃないもん、これは。これは、僕だって漫画読むけど、これは読まないけど、例えば、どうしても、やっぱりそれは、小学生の手に簡単に入っちゃうっていのが現状なんだよ。」



■藤本氏■
簡単には手に入らないと反論。



■司会者■
スタッフが普通の本屋で本を入手してきたと主張。
(不健全指定図書も!?■猪瀬氏■が用意したわけではない様子。)



<CM>
<シンポジウムの告知>



■視聴者のメール■
「統計的には、ポルノ一般を厳しく規制している国の方が、むしろ犯罪率は高くなっています。そうした統計的事実を踏まえて上で、合理的

な判断を下す必要があるのではないでしょうか?」



■視聴者のメール■
「規制を早く実施して欲しい。何故かと言えば、事実我が家の子供(中3、小6、小4)の手元に、規制対象になりうるようなものすごい漫画が簡単に手に入る状態だからです。」


■■総括■■
■猪瀬氏■
今日は表現の自由と言うことで来た。

(日本国憲法第21条第1項を引用したパネルを示し)
表現の自由は一切規制しないと明言。
性表現だらけの漫画だろうと、どんどん描けばいい。



■里中氏■
今回の都の改正案はあまりにも感性の部分にまで入り込みすぎている。
であるから、審議を尽くして欲しい



■渡辺氏■
(統計について言及している視聴者のメールに対して)

  • アメリカの研究では、ポルノに晒された被験者の方が「性犯罪の遂行率」であるとか「レイプ神話*1」を信じやすくなるという研究もある。
  • ポルノが性欲のはけ口となって性犯罪を減らす、所謂カタルシス理論を立証した研究はない




■藤本氏■
(フリップを提示して)

  • 性表現が広まるにつれて、日本のレイプ被害者の数は激減している。

  • 規制が厳格に運用されている国ほどレイプ率が高いという統計的事実は厳然としてある

*1:女はレイプされれば歓ぶという誤った俗説